★ 困った親子 - 電車の中編

日中の比較的すいた電車。親子が乗り込んできました。子どもは3歳くらいでしょうか。ミニカーを手に持ち、大声で言います。
 「ぼく すわりたいーー!!空いてないーー!!」するとお母さんも「しようがないでしょ、空いてないんだから。どっか空くまで座れないよー。」それでも子どもは大声でダダをこね続けます。車両の中は、(ナンダ、コノオヤコハ!)という雰囲気。そんな時、一人のお年寄りが、わざわざ席を立って親子に近寄ります。
「奥さん、どうぞ。私、次で降りますから。坊ちゃんお疲れになったんですよね。さあ坊や、どうぞ、ここにお座りなさい(*^_^*)」
 車内、ちょっと沈黙・・・

そこでお母さん「すいませーん。ほら、よかったじゃなーい。おばあちゃんがかわってくれるって。さ、座りなさい。」男の子は一目散に空いた席によじ登り、靴も脱がずに窓のほうに向いて座ります。左右の人にはお構いなし。そして、窓枠で左に右にミニカーを走らせる・・・・おばあちゃんは人の良い笑顔で親子を眺める、まわりの人達、割り切れない思い・・・

** 天の声 **
 ちょっとちょっとお母さん、席をかわってくださったおばあさんにお礼は?それに、本当は若いものがお年寄りに席を譲ることを教えるのがお母さんの役目でしょ!ほら、座席は座るところ、靴のまま上がらせちゃダメでしょう・・・ ほーらやっぱり横の人の服が汚れたじゃないですか、お詫びは?息子にゴメンナサイをさせないの?それでもまだ靴は脱がせないの?ミニカーは、ちゃんと前を向かせて、手の中、膝の上で遊ぶことを教えなさい!!ほんとにー・・・子どもの運賃は半額、それにこの子はまだ子供料金さえ払っていないでしょ。そんなふうに理屈として考えれば、子どもには座る権利はないのじゃないですか?よほどのことがない限り、子どもは親のお膝の上!!

**************************************

子どもは達は家庭生活の中で、叱られたり誉められたりする経験から「良いこと、悪いこと」を学習し、日々成長していきます。とは言え、当然、未熟です。
 しかし、未熟だから、「少々のことは仕方がない・・・」「子どもなんだから、少しくらいは悪いことをするのは当たり前。」ということではありません!
 世の中には、我が子の問題行動に「まあ子どもなんだから仕方ない。少々のことはみんな目をつぶってくれるはず。」などと、甘い考えを持つ親が増殖中。けれど、それは許されることではありません。なぜなら、子どもは生まれた時から立派な「社会人の卵」であり、「社会人予備軍」だからです。

『個』の考え方が浸透した現代。大きな目で『社会の中の自分・社会の中の子ども・社会の中の家族』を見つめること、認識することが出来なくなっているようです。その結果、子どもの社会性は育ちにくくなり、その上少子化も手伝って、自分勝手な自己中心的な考え方しかできない子どもが増えました。
 そういう責任は現代社会にあるのですか?いいえ、そういう漠然としたものに責任転嫁をせず、もっともっと子どもを持つ親1人1人が「社会人を育てている意識」を身につけていかなければなりません。
 私立小学校に通う場合、電車やバス通学は必須です。こういう公共機関でのマナーを会得できていない親子は、すぐに見ぬかれてしまいますよ。
「社会人の卵」「社会人予備軍」を立派に育てていく義務と責任が親にはあるのです。そのことを忘れてはいけません!