★ いつも「普段着」では困ります!

昭和の時代は、「お出かけ用の服装」と「普段着」をかなりしっかりと区別していました。社会全体が豊かになり、どんな人もほぼ同レベルの服装が楽しめるようになった今、親も子どもも、いつでも急にどこかに行くことになっても「恥ずかしくない装い」をするようになっています。 要するに、今では昔の「お出かけ着」と「普段着」に区別した生活ではなく、常にその二つの中道をいくような、便利な服装をしている、ということです。しかし、これは言い換えてみれば「メリハリのない生活」であり、気持ちの上でいつも緊張感に欠けた生活、ということでもあるでしょう。

たとえば、こういうことを想像してください。
和服を着た時、どのように歩くでしょうか?大股で闊歩しますか?日頃、どんなに活発な女性であっても、やはり着物を着た時には裾の乱れを気にしながら、小股で内また気味に歩きますよね。 会席料理をいただく時には、箸の上げ下ろし、お椀の持ち方、食後のお茶のいただき方にまで気にしませんか?結婚のご披露宴に招待され、正装して本物の宝石を身につければ、背筋が伸び、とてもかしこまった、すました気分にもなります・・・幼い子どもにも、そういう意識を育てていってほしいのです。
 おじいちゃま、おばあちゃまのお家に遊びに行くときには、革靴を履いていく・・・とか、お友達のお誕生会にお呼ばれした時には、トレーナーとジーンズではなくボタンダウンのシャツに半ズボンとか、愛らしいワンピースを着るとか・・・
 TPOを十分に考え、この席には〇〇の装いは恥ずかしい、とか、相応しくないとか、親のほうがそういう意識を持ってほしいと思います。