父権の復活を!

最近のお父様は、みな総じて「優しいパパ」です。
確かに、今は世の中全体で、求められているものは「優しさ」なんですね。優しいボーイフレンド、優しい夫、優しい先生、優しい友達・・・
 でも、親子の関係では、優しいばかりでは子どもの教育を真っ当にしていくことはできません。叱るべきときには厳しく叱る!という姿勢は、教育上、非常に大切なものです。

日頃から、子どもと接する時間の長いお母様は、お子様の「アレコレ」が目につきやすく、いきおい、口うるさく注意をします。「誉める教育」が主流の現代でも、さすがにお母様方は「誉めてばかり」はいられないようで・・・どこにいても、お母様は子どもを相手に「〇〇しなさい!」「ダメじゃないの、△△しちゃ!」のように、叱っています。
 ですから、多くの子ども達は、口を揃えて「ママはうるさい」「ママは、いつも怒っている」という表現になります。まあ、大人でもそうではありませんか?立て続けに、次から次へと口うるさく文句を言う上司や、お姑さんや、夫(妻)には、うんざりしませんか?
 要するに、子どもだって、全く同じことを感じているわけです。当然のことながら、うんざりしてしまうお小言には、あまり効力はありません。

そこで!
大事なことは、「ここぞ!」という時の注意は、お母様ではなく、お父様のお役目にしましょう。
『ぼくの(わたしの)パパは、いつもは優しいけれど、ぼくが(わたしが)いけないことをしたら、ものすごーく怖いよー。大きな声で、叱るんだよ。ぼくは(わたしは)とっても怖くて、泣いちゃうんだ・・・』
 このくらいの迫力のある「父権のあるお父様」が増えて欲しいですねえ・・・父親とは、大きな愛情で包み、見守り、そして、「ここぞ!」という時には登場して、ビシッと叱る!本来父親とは、そういう役目を果たすべき、なのですね。
 ところが、日頃は忙しくて、あまり一緒にいられないから・・・という理由で、子どもに嫌われたくないというパパ族は、ついついヘラヘラとして、お母様が叱っても「おいおい、そんなくらい、いいじゃないかあ。ほらー、〇〇はすっかり凹んじゃってるじゃないかあ。おーい〇〇、パパんところにおいでー。ママはさあ、怖いからねえ。さっ、優しいパパと遊ぼうかあ!」などと言って、お母様の努力を台無しにしている・・・そんなお父様は、決して少なくはないでしょう。
 子どもとは、じつはかなり残酷なものなのです。こういうお父様の場合は、子どもがある程度の年齢になると、父親とはこういうもの、と舐めてかかるようにまでなっていくのです・・・

父親は、口うるさくてはいけません。口うるさいのは、ママの専売特許です。お父様は、日頃はニコニコしていながらも、叱るときには怖い顔をして、声を荒げる・・・そのくらいの迫力は父親には必要ですよ。

日本人のように、信仰心のない国民は、日頃から「怖いもの」がありません。いつも自分中心で、傍若無人。頭(こうべ)を垂れることなく、何ものにも畏敬の念を持つことがなくなりました。
 こんな状況のもと、お母様はこうるさいだけで、お父様はいつもへらへら・・・これでは、誰の事もこわくない、傍若無人な、礼儀のない子どもに育っていってしまいます。

父権の復活ですよ。昔は、「地震、雷、火事、おやじ」と言われたものです。お父様が父権を取り戻せば、さまざまな意味で、真っ当な家族の在り方が育っていくものです。パパ、ファイト!